2025年06月16日 14:00 〜 15:00 10階ホール
森保一・サッカー日本代表監督 会見

会見メモ

6月10日にワールドカップアジア最終予選を終えたサッカー日本代表の森保一監督が会見。予選の振り返り、来年6月11日から始まる北中米3カ国大会に向けての目標などについて話した。「ベスト8が一つの軸だが、世界一も視野に準備をしていく」とし、現在の日本代表チームについての現状や期待感を交えながら話した。

 

司会   森田景史 日本記者クラブ企画委員 (産経新聞社)


会見リポート

最高の景色へ「輪を大きく」

坂本 寛人 (スポーツニッポン新聞社編集局スポーツ部)

 W杯北中米大会まで1年を切った。日本中を巻き込まなければ、最高の景色にはたどり着けない。「普段と雰囲気が違うのでいささか緊張しています」と実直に切り出した森保監督の偽らざる思いが、冒頭のあいさつで次々とあふれ出た。

 難なく突破したように映るアジア最終予選は「厳しい戦い」の連続だったこと。チームが掲げるW杯優勝への本気度。サッカーという枠にとらわれず、日本のために戦う覚悟。そして常に口にする「共闘応援」への呼びかけ。穏やかな口調なのに、言葉は自然と熱を帯びていく。「これまでW杯で世界一になった国々は(代表チームへの)国の関心度が100パーセントでした。皆さんの力もお借りして、より多くの方々の関心をサッカーに寄せていただいて、W杯へ挑んでいきたい」。質問を挟むことなく、丁寧に、18分間にわたって語り続けた。

 なぜ世界一なのか。背景は二つある。一つは8強入りを逃した前回のW杯カタール大会。PK戦でクロアチアに敗れたが「まだまだ上に行けたなと」。悔しさをあらわにする選手の思いもくみ取り、頂点を現実的なものに捉えた。もう一つは、2050年までにW杯優勝という長期的な目標を掲げた日本協会の「2005年宣言」。「それぞれが自分の立場から何ができるかを考えることが、世界一の確率を上げることになる」。たとえ在任中に到達できなくても、日本サッカーの発展を強く願う心が代表監督としての根底にある。

 就任から7年。「プレッシャーはありますけど、ストレスはない」と笑う。批判を歓迎し、スマホで目に入った記事からヒントを得ることも。多忙の合間には全国各地に出向く。ファンサービスにも積極的だ。「称賛、批判を含めて見てくださる方の輪が大きくなることがうれしくて幸せなこと。何もない無関心が一番さみしく、つらい」。語り尽くした言葉の端々に、切なる思いが込められていた。


ゲスト / Guest

  • 森保一 / Hazime MORIYASU

    サッカー日本代表監督

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