会見リポート
2019年08月29日
15:30 〜 16:30
9階会見場
ジェイミー・ジョセフ・ラグビー日本代表ヘッドコーチ 会見
会見メモ
「ラグビーワールドカップ2019日本大会」(9月20日~11月2日)の日本代表メンバーを発表した直後に日本記者クラブで会見し、本大会への抱負を語った。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
通訳 佐藤秀典
日本ラグビーフットボール協会
会見リポート
前任と違うNZ式で指導/キック多用、おおらかに
西山 良太郎 (朝日新聞社論説委員)
近年のスポーツ界で好成績をあげる競技には外国人指導者の存在が目につく。アジアで初開催のラグビーW杯で、日本代表を率いるのも49歳のニュージーランド(NZ)人である。
異なる国の文化や風土を理解し、どう咀嚼していくか。外国人指導者の素養が問われる部分だ。会見では母国の高校代表として1987年に初来日、ホストファミリーと今も交流を続ける体験から語り始めた。
ラグビー王国の代表選手として95年の第3回W杯で準優勝。その後日本の社会人チームに加わり、第4回W杯は日本から出場した。ラグビーの国代表は、原則として国籍を前提とせず、当時は国を移って代表になることも禁じられていなかった。
日本を知るヘッドコーチ(HC)という観点からすれば、十分な経歴だろう。でも当然ながらそれだけで成功が保証されるわけではない。
HCの声音に緊張を感じたのは、前任のエディー・ジョーンズ氏に言及した時だった。4年前の前回W杯で、史上最大の番狂わせといわれた南アフリカ戦を含む3勝をあげたオーストラリア人指導者である。
日本以外にもW杯ではHCとして母国オーストラリアを準優勝させ、スタッフとして南アの優勝も経験した。今回はラグビーの発祥国イングランドに請われてHCを務める。
意識して当然だろう。実績に敬意を表しながらも「チーム作りのやり方は違う」と会見で言い切った。
最高峰のリーグとされる南半球のスーパーラグビーで優勝経験はあるが、国代表を率いるのは初めてだ。練習時間など多くの制約を受けながら、選手の力をどう引き出すか。
前回の日本代表は細かいパスとひざ下に食い込むタックルで戦いに挑んだ。今回のチームはキックも多用し、おおらかな印象がある。
異なるアプローチがもたらす結果が、興味深い。
ゲスト / Guest
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ジェイミー・ジョセフ / Jamie Joseph
ラグビー日本代表ヘッドコーチ