2019年08月01日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「2019参院選後の日本 民意を読む」(4) 中島岳志・東京工業大学教授


会見リポート

野党は「闘技と熟議」を両輪に

山田 惠資 (企画委員 時事通信社解説委員)

 参院選でのれいわ新選組の躍進について中島氏は、山本太郎代表が打ち出した「闘技デモクラシー」が功を奏したと見る。これは、選挙の争点を明確化して有権者にストレートに訴えるという政治学の概念の一つ。中島氏は「れいわが掲げた『消費税廃止』は人々の情念を喚起した」と言い切った。

 一方、結党直後の2017年衆院選で野党第1党の座に着いた立憲民主党が不振だった理由について中島氏が指摘したのは、枝野幸男代表が目指してきた有権者の合意形成を重視する「熟議デモクラシー」が機能しなかった点だ。「数の論理を求め、無党派層に訴える物語作りに失敗した」というわけだ。野党は今後、新自由主義路線の自民党政治に対抗するため、「闘技と熟議」を両輪として、再分配型のリベラル路線を追求すべきだと結論付けた。


ゲスト / Guest

  • 中島岳志 / Takeshi Nakajima

    日本 / Japan

    東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授 / professor, Institute for Liberal Arts, Tokyo Institute of Technology

研究テーマ:2019参院選後の日本 民意を読む

研究会回数:4

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