会見リポート
2019年08月19日
13:30 〜 15:00
10階ホール
「2019参院選後の日本 民意を読む」(7) 開沼博・立命館大学准教授
会見メモ
社会学者である開沼博准教授が参院選の結果を社会学のアプローチで分析した。
開沼氏は『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(2011年、青土社)で第65回毎日出版文化賞人文・社会部門を受賞。その他著書に『フクシマの正義―「日本の変わらなさ」との闘い』(2012年、幻冬舎)、『漂白される社会』(2013年、ダイヤモンド社)、『はじめての福島学』(2015年、イースト・プレス)など。近著は『社会が漂白され尽くす前に』(対談集 2017年、徳間書店)がある。
司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
『社会が漂白され尽くす前に』(対談集、2017年、徳間書店)
会見リポート
「いまの絶望」が支える安定政権
国分 高史 (朝日新聞社編集委員)
『「フクシマ」論』で知られる社会学者は、2012年以来の国政選で自民、公明の与党が勝ち続けてきた現状を、「もはや未来も希望も忘却した社会。残るのは『いまの絶望』だ」と読み解いた。
国民は「いま」に不満を持ちながらも、未来への期待を持たないから明るい未来が奪われるかもしれないという焦りもなく、意外に安定志向でいることが現政権への支持につながっているという。開沼氏はこの政治状況を、自公が衆参のねじれを解消して安定政権を確立した年にちなんで「2013年体制」と呼び、これからも続くと見る。
気になったのは、メディアが争点設定をしても、全体的な選挙結果にほとんど作用しなかったという開沼氏の指摘だ。それが近年の低投票率の一因でもあるとしたら、座視しているわけにはいかない。
ゲスト / Guest
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開沼博 / Hiroshi Kainuma
立命館大学衣笠総合研究機構准教授 / Associate Professor, The Kinugasa Research Organization, Ritsumeikan University
研究テーマ:2019参院選後の日本 民意を読む
研究会回数:7