2020年02月13日 16:00 〜 17:00 10階ホール
「次の10年 若手政治家に問う」(2) 鈴木隼人・衆議院議員(自由民主党)

会見メモ

鈴木隼人衆議院議員が登壇し、自身の政治理念について語った。

鈴木氏は2014年の衆院選に比例東京ブロックで出馬、初当選。17年の選挙では、希望の党の中心人物、若狭勝氏の対抗馬として出馬し、2選を果たした。「若者の政治参加検討チーム」「育menサミット」の立ち上げに携わったほか、認知症予防として初の全国組織「全国認知症予防ネットワーク」の呼び掛け人を務めている。

 

司会 福田裕昭 日本記者クラブ企画委員(テレビ東京) 

 

「次の10年 若手政治家に問う」

(1)2020年01月09日(木) 薗浦健太郎・衆議院議員(自由民主党)

   (3)   2020年3月12日(木)鈴木貴子・衆議院議員(自由民主党)


会見リポート

新自由主義の路線修正を/貧困対策で「ひとに優しい社会」へ

有泉 聡 (読売新聞社政治部 )

 経済産業省出身の自民党政治家だが、良い意味で自民党らしくない問題意識が光った会見だった。

 冒頭、これまで力を入れた認知症対策と若者の政治参加について説明した。現在、認知症にかかる社会的コストは全体で14兆円。うち6兆円は家族による介護の負担分という。認知症の人は2050年には現在の倍の1000万人超になると試算される。「働き手が減って大変な中で、家族の介護で離職をする人が増えたら国がもたなくなる」と話した。

 若者の政治参加についても、20代の投票率が徐々に低下していると警鐘を鳴らした。このままでは40年後、衆院選の全体の投票率は30数%程度まで落ち込むという。「政治的な関心の強い特定の団体が圧倒的な政治力を持ってしまい、議会が多様な声を反映できなくなる」。そんな状況になれば民主主義にとっての危機だろう。

 「数十年後の日本をデザインするつもりで日々政治に関わっている」というが、根底にあるのは、日本社会の将来に対する危機意識だ。

 新自由主義とグローバリゼーションの進行で、恩恵は山ほどあったとしつつ、格差の拡大や温暖化など「副作用や過渡期の混乱がもはや許容範囲を超えつつある」と指摘した。路線を修正して「ひとに優しい社会」を実現するため、特に緊急性を要するものとして「貧困層拡大への対応」を挙げた。

 「今の社会は言うなれば『働いても食えない社会』だ。『働けば食える社会』をどうやってつくっていくか」。方策として①賃上げ②伴走型支援③生涯現役‐の3つのキーワードを掲げた。働けば食えるだけの相応の賃上げを実現し、教員や児童相談所と連携して子供の貧困などの問題を支援する「スクールソーシャルワーカー」の増員などを提案した。

 党内での立ち位置を「現時点でど真ん中を貫いている流れとは少しずれている」と認めるが、「気付いたら私が真ん中にいるような状況になっているのかな」とも述べた。


ゲスト / Guest

  • 鈴木隼人 / Hayato Suzuki

    日本 / Japan

    衆議院議員(自由民主党) / Member of the House of Representatives, the Liberal Democratic Party

研究テーマ:次の10年 若手政治家に問う

研究会回数:2

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