2025年10月16日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「東京2025デフリンピック」全日本ろうあ連盟理事長、選手ら 会見

会見メモ

きこえない・きこえにくい選手の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」(11月15日~26日)の開幕まで1カ月を切った。大会運営を統括する一般財団法人全日本ろうあ連盟の石橋大吾理事長が、デフリンピックの歴史や競技の魅力、視覚的情報保障の重要性、今大会を通して目指すことなどを話した。選手団からは団長の太田陽介さん、旗手の松元卓巳さん(サッカー男子)、小倉涼さん(空手女子)が登壇。スローガン、ウェアを紹介するとともに、大会に向けた意気込みなどを語った。

 

司会  森田景史委員  日本記者クラブ企画委員 (産経新聞社)

 

※写真左から太田さん、松元さん、小倉さん、石橋さん

 

★YouTubeでのアーカイブ配信は行いません。ご了承ください。


会見リポート

競技の魅力、社会的課題も

神谷 円香 (東京新聞社会部)

 全日本ろうあ連盟が何年も前から目指していたデフリンピック日本招致。3年前に悲願がかない、いよいよ11月に開幕する。

 石橋大吾理事長は会見で、あらためてデフリンピックの100年の歴史を説明した。「聞こえる人と比べると、情報量で差が出る。スポーツは音が大事だが、ろう者は視覚で得るのみ。視覚的情報保障や手話言語による説明が必要で、聞こえない人同士でやるデフリンピックの意義がそこにある」と手話で語った。「単純な国際スポーツ大会で終わらせるつもりはない。さまざまな方が集い、交流し、聞こえないことや手話言語に対する理解を広めていくきっかけをこの大会で見つけていきたい」とも強調した。

 旗手の松元卓巳選手(サッカー)、小倉涼選手(空手)も登壇。「感動と勇気を与えられるよう、責任と覚悟を持って、精いっぱい練習の成果を発揮して結果につなげたい」「障害のある人もない人もすべてが暮らしやすい共生社会の実現に、私たちの活動が結びつけばうれしく思う」とそれぞれ語った。2人はメディアへの露出も格段に増え、ともに金メダル候補でもあるだけに重圧もあるだろう。気負いすぎず、本来の力が出せるようにと願う。

 デフリンピックについてはこれまで、メディアは大きく扱ってこなかった。初めての自国開催が近づき、報道も日に日に過熱している。「障害者のスポーツも社会面ではなく、スポーツ面に掲載を」と、これまで多くの選手らが望む声も聞いてきた。一方で、情報保障の充実など、ろう者に関わる社会的な課題を、注目が集まるこの機会に報じるのも望まれている。当事者自身が運営してきた歴史ある大会は今回、連盟が東京都と協定を結び、聴者とも連携して開催される。少しでも多くの人に気軽に来てもらえるよう、入場無料で観戦にチケットは不要だ。選手たちも望むように、ぜひ足を運んでもらいたいと願う。


ゲスト / Guest

  • 石橋大吾 / Daigo ISHIBASHI

    一般財団法人全日本ろうあ連盟 理事長

  • 太田陽介 / Yosuke OTA

    日本選手団団長

  • 松元卓巳 / Takumi MATSUMOTO

    旗手、サッカー男子日本代表

  • 小倉涼 / Ryo OGURA

    旗手、空手女子日本代表

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