2020年01月09日 16:00 〜 17:00 9階会見場
「次の10年 若手政治家に問う」(1) 薗浦健太郎・衆議院議員(自由民主党)

会見メモ

政府や党で活躍する若手議員を招く新たな企画「次の10年 若手政治家に問う」の第1回ゲストとして、自民党の薗浦健太郎・衆議院議員(千葉5区)が登壇し、今後10年で求められる内政、外政の取り組みや自身の考えについて語った。

薗浦議員は、読売新聞記者、麻生太郎総務相(当時)の政策秘書を経て2005年に初当選。外務副大臣、首相補佐官(国家安全保障担当)などを務め、2019年9月から自民党総裁外交特別補佐官。

 

司会 橋本五郎 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)

 


会見リポート

「現状維持策で現状維持困難」/内政面での構造改革訴える

足立 直紀 (テレビ朝日政治部長)

 現在、自民党の総裁外交特別補佐を務める薗浦氏だが、むしろ内政面での構造改革の必要性を説いた発言が出色だった。

 2020年代について、「この政権が築き上げた体力が残っているうちに、今までと違ったアプローチを進めないとしんどくなる」と指摘した上で、「現状維持の政策では、この国は現状維持することは難しい」「日本の地位低下を招きかねない10年」と厳しい認識を示した。

 

 そして、手を付けるべき政策として、「子育て家庭へのインセンティブ、例えば所得税の優遇を検討すべきだ」と主張し、高齢者に関しては、「一定層が働き続けるための様々な制度を考えないといけない」と訴えた。さらに、「役所のスリム化を図ることで、人を産業に振り分ける」ことや、「国が市場開拓をし、中小企業などの市場を維持する」「科学技術を産業に結び付ける“目利き”の人を育てる」などのアイデアを紹介した。

 

 もちろん、専門の外交分野の発言も光った。中国の台頭、サイバー、5Gの発達などを受けた「経済安全保障」の必要性だ。政治が主導して、各役所を使って動かしていくのが政治の責任だと訴えた。国際秩序の中で、既存のルールを守っていく必要性も説いた。

 

 緊張感の高まるイラン情勢については、「アメリカとイランが直接対話のチャンネルがない中で、トランプ大統領とハメネイ師と直接会って話せるのは、世界を見渡しても安倍総理しかいない。我々が果たすべき役割は当然ある」と語った。

 

 今春に予定されている中国の習近平国家主席の訪日に関しては、香港や南シナ海、尖閣などを例に挙げながら、「双方の国民から歓迎される環境をつくるべきだ」と主張した。

 

 新企画の初回ゲストとして招かれた薗浦氏だが、司会で読売新聞の先輩でもある橋本五郎氏は「第1回にふさわしい内容だった」と評した。

 


ゲスト / Guest

  • 薗浦健太郎 / Kentaro Sonoura

    日本 / Japan

    衆議院議員(自由民主党) / Member of the House of Representatives, the Liberal Democratic Party

研究テーマ:次の10年 若手政治家に問う

研究会回数:1

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