2021年04月12日 16:00 〜 17:00 10階ホール
「ジェンダーと政治」全国フェミニスト議員連盟

会見メモ

写真左から前田佳子氏、増田かおる氏、伊藤正子氏

 

「全国フェミニスト議員連盟」は女性議員を増やすことを目的に、自治体の女性議員や市民らにより1992年に設立された。共同代表の前田佳子氏(八王子市議会議員)、増田かおる氏(松戸市議会議員)と事務局の伊藤正子氏(川越市議会議員)が登壇、なぜ女性議員が増えないのか、現場の実情と課題について話した。

司会 佐藤千矢子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

 

 全国フェミニスト議員連盟

 

「ジェンダーと政治」(全5回)

(1) 3月4日(木)14:00~15:00 三浦まり・上智大学教授

(2) 3月19日(金)16:00~17:00 伊藤公雄・京都産業大学教授

(3) 3月22日(月)16:30~17:30 前田健太郎・東京大学大学院准教授

(4) 4月5日(月)16:00~17:00 中貝宗治・豊岡市長

(5)4月12日(月)16:00~17:00 全国フェミニスト議員連盟


会見リポート

女性議員の低比率、改善されず

明珍 美紀 (毎日新聞社編集編成局)

 「日本のジェンダー・ギャップ指数」は156カ国中120位──。

 3月末、こんなニュースが国内を駆けめぐった。

 世界経済フォーラム(WEF)が毎年、試算する「グローバル・ジェンダー・ギャップ」、すなわち男女格差の世界比較の結果だ。調査の分野(経済、教育、医療、政治)別でみると、政治は147位。日本が世界最低の水準になっている理由は「女性の政治参加度の低さ」であることは言うまでもない。地方(都道府県、市町村)議会の女性議員は4685人(昨年末現在)。その比率は約14%。衆院議員は1割に満たない。

 「全国フェミニスト議員連盟」は、あまりにも少ない女性議員を増やそうと1992年に設立された。各政党、政治団体にクオータ(割り当て)制導入などを要請し、男女共同参画のためのセミナーなどを各地で実施。女性議員ゼロの自治体への訪問、候補者の発掘などに力を入れる。現在、会員は市民を含め約200人。来年、結成30年を迎えるが「この間、状況はほとんど改善されていない」と共同代表を務める前田佳子・八王子市議と、増田かおる・松戸市議は口をそろえる。

 議員が引退してポストが空くと、その地盤は男性に引き継がれることが多い。当選したとしても男性議員が大半を占める男社会の中で足を引っ張られ、セクシュアル・ハラスメントを受けることは少なくない。

 「女性ゼロ議会の地区は、合わせ鏡で行政側も女性管理職がいない自治体がある」と事務局の伊藤正子・川越市議は指摘する。

 森喜朗元首相の女性蔑視発言などで改めて男女格差の問題が浮上した。新型コロナウイルス禍も長引いている。社会的に弱い立場の人々の声を政治に反映させていくには、女性議員の活動はさらに重要になっている。「女性が暮らしやすい、多様性のある社会をつくるうえでも国や地方自治体の女性議員を増やす努力を続ける」と壇上の3人は気を引き締めていた。


ゲスト / Guest

  • 前田佳子 / Yoshiko Maeda

    全国フェミニスト議員連盟共同代表(東京都八王子市議会議員)

  • 増田かおる / Kaoru Masuda

    全国フェミニスト議員連盟共同代表(千葉県松戸市議会議員)

  • 伊藤正子 / Masako Ito

    全国フェミニスト議員連盟事務局(埼玉県川越市議会議員)

研究テーマ:ジェンダーと政治

研究会回数:5

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