2019年12月20日 14:00 〜 15:00 10階ホール
遠藤俊英・金融庁長官 会見

会見メモ

遠藤俊英・金融庁長官が金融行政の課題について話した。

司会 藤井彰夫 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)


会見リポート

「地銀と対話し経営改善を」

柿元 孟 (共同通信社経済部)

 「全国100以上ある地方銀行と顔の見える対話を続け、ビジネスモデルをいかに構築するのか見ていく」―。金融庁の遠藤俊英長官は、人口減少や超低金利を背景に収益環境が厳しい地銀について、それぞれが地域で十分な金融仲介機能を継続して発揮できるように、経営改善に向けた取り組みの状況を注視していく考えを強調した。

 地銀の業績は、金利低下で本業の貸し出し利ざやの縮小に歯止めが掛からない中、低水準だった不良債権処理費用も増える傾向にあり、悪化している。地銀が保有する利回りの高い国債や地方債はこの先3年で償還が進む見通しで「地銀の収益性確保はますます大きな課題になる」と警鐘を鳴らした。

 将来の収益性や事業の持続可能性に懸念が強いと判断した地銀には早期警戒制度を活用し、金融庁が直接対話して早めの経営改善を促す。それ以外の地銀には地方財務局が中心となり、地域企業の価値を高めるような新しいビジネスモデルの構築に焦点を当てた議論を深めていくと説明した。

 生き残りを懸けて活発化している地銀再編は「(経営基盤が)大きくなることで余裕を作って十分なサービスを行うという目的の経営統合・合併ならば良い方向だ」と歓迎。逆に「足元が厳しいという理由だけで統合・合併するのはどうか。統合・合併はゴールではない」と釘を刺した。

 「第4のメガバンク」を標榜するSBIホールディングスは、島根銀行と昨年9月に、福島銀行とは11月にそれぞれ資本業務提携した。地銀が他業種と連携する動きは「ビジネスモデルの在り方を考えているからこそ出てきた」と評価した。

 遠藤氏は旧大蔵省に在籍していた1990年代後半に、大手銀行や証券会社の経営破綻が相次いだ金融危機を経験した。金融当局と金融機関との間で「率直な議論が行えていたか反省することがある」と当時を振り返り、「今のうちに信頼関係をつくって課題を共有し、危機を防ぎたい」と力を込めた。


ゲスト / Guest

  • 遠藤俊英 / Toshihide Endo

    日本 / Japan

    金融庁長官 / Commissioner, Financial Services Agency

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