2018年04月25日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「イスラエル建国70年とパレスチナ問題」立山良司・防衛大学校名誉教授

会見メモ

イスラエル建国70年とパレスチナ問題

立山良司・防衛大学校名誉教授が、二国家解決案が破たんした中東和平の現状を解説した。

 

 

司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

「二国家解決の実現性はない」と断言

 立山氏は、新聞記者ののち国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)職員も経験し、研究者に転じた。さまざまな立場から中東和平問題にかかわってきた第一人者である。その立山氏が「二国家解決の実現性はない」と断言したのにはドキッとさせられた。

 最近の世論調査によれば、イスラエルのユダヤ人で「まだ可能」と答えたのは42%に対し「もはや不可能」が46%。パレスチナ人に至っては、「もはや不可能」が60%で、「まだ可能」の37%を大きく上回っている。

 大きな要因が、イスラエルが占領地のヨルダン川西岸などで進める入植だ、と立山氏は指摘する。オスロ合意が結ばれた1993年に30万人弱だった入植者は倍増。西岸で見ると10万人程度から40万人と4倍になっている。

 自治とは名ばかりで、西岸の6割はイスラエルが管理。入植地を避けて群島のように散らばる自治地域の間を移動するためには検問所を通らねばならない。炎天下で何時間も待たされ、イスラエル側の都合で認めらないこともある。抗議すれば逮捕される。これではオスロ合意は何だったのか、とパレスチナ人の間には鬱屈した気分が広がる。

 一方、イスラエル人にとって入植地はもはや既定事実。撤退を実現しようとすれば反発を招き、右派、左派に限らずどの政権も持たない。ネタニヤフ首相は、イスラエルが「違法」とする入植者100人程度を強制退去させる代わりに、新しい入植地建設を約束したそうだ。

 イスラエルと共存共栄するパレスチナ国家の建設。この二国家解決こそが長年の紛争を終わらせる手立てだと国際社会は考えてきた。私もそうだが、日本のメディアもその基本姿勢は変わらないはずだ。だが、肝心の当事者が後ろ向きであれば、その主張はどれだけ説得力を持ち続けうるのだろうか。


朝日新聞社論説委員  平田 篤央

ゲスト / Guest

  • 立山良司 / Ryoji Tateyama

    日本 / Japan

    防衛大学校名誉教授 / professor emeritus, National Defense Academy

研究テーマ:イスラエル建国70年とパレスチナ問題

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