2018年04月16日 13:00 〜 14:30 10階ホール
「朝鮮半島の今を知る」(5)文在寅政権のビジョン 浅羽祐樹・新潟県立大学教授

会見メモ

新潟県立大学の浅羽祐樹教授が、「朝鮮半島の論理をどう読み解くのか」と題して韓国の政治・外交の見方を分析した。

 

 

司会 五味洋治 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)

 

新潟県立大学教員ページ

『戦後日韓関係史』(有斐閣、2017年)


会見リポート

核問題対応 日米韓は「チーム・パシュート」で

佐々木 真 (時事通信社解説委員)

 南北・米朝首脳会談があれよあれよという間に決まったと思ったら、李明博元韓国大統領が朴槿恵前大統領に続いて逮捕されるという、いつもながらダイナミックに動く朝鮮半島情勢。メディアもこの急流に追いついていくのはひと苦労で、専門家の助けがいつもに増して必要になる。

 会見は2部構成。北朝鮮核問題への日米韓の対応のパートでは、平昌冬季五輪で日本女子が金メダルを取ったチーム・パシュートを例に、非核化を実現するためには、日米韓のどの1カ国も前のめりにも置き去りにもされないチームプレイが必要だと強調した。

 しかし、日米韓はそもそも優先する目標が異なるのではないか。特に歴史問題などを抱える日韓は協調が難しいのではという疑問が浮かぶ。これに対して、浅羽氏は「日韓は米国に対する『劣位のパートナー』という共通点を持つので、提携が可能」としたのは、説得的だった。

 韓国政治パートでは、日本の報道に対する批判も交えて「『韓国左派=進歩派』は親北・反米・反日」「李明博氏逮捕は政治報復」という捉え方は短絡的だと指摘。世論調査を踏まえた、韓国の若い世代の政治意識が大きく変化しているとの知見は大変参考になった。

 浅羽氏の言う通り、韓国の全体像を「衡平」に伝えることが大事だ。それができているか、メディアは絶えず振り返る必要があるという思いを強くした。


ゲスト / Guest

  • 浅羽祐樹 / Yuki Asaba

    新潟県立大学教授

研究テーマ:朝鮮半島の今を知る

研究会回数:5

ページのTOPへ