2018年03月06日 15:00 〜 16:30 9階会見場
「2年目のトランプ政権」(1) 佐橋亮・神奈川大学准教授

会見メモ

2年目のトランプ政権 (1)

 佐橋亮准教授研究室HP

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)


会見リポート

トランプ不変、米国の先行きに強い危機感

 米政治史でも最も異色の政権の外交政策を研究するのは学者にとって幸福なのか不幸なのか。佐橋氏は、いまの日本の対米観を「世界でも傑出した楽観主義」と説明した。米国の先行きへの危機感がうかがえる会見だった。

 日本が取るべき対応として①良好な日米関係の維持②TPP11のような先進国連合の構築③中国との関係改善――を挙げた。いずれも常識的なようで、全てを成り立たせるのは簡単ではない。安倍政権は①は合格、②はまあまあとして、③は十分とはいえまい。

 もちろん、中国に屈せよというのではない。中国が日本の安保にとってリスクであると同時に、米国もまたリスクであるという戦後日本にとって「稀有な状況」の中で、あえて日本が中国リスクを高める必要はないという趣旨だ。

 先進国連合についても「あくまでも時間稼ぎ。誰かが自由主義を掲げないと忘れられる」という程度の意味合いだという。つまり、日本の針路を最終的に決めるのは、やはり日米関係ということだ。

 佐橋氏が辞任するか昇格するかが「政策形成の潮目」と指摘したギャリー・コーン国家経済会議(NEC)議長は会見の翌朝に辞任を表明した。

 となると、もう1つの注目点として挙げた「ハーバード・マクマスター大統領補佐官の辞任」がいつ来るのか。佐橋氏は後任候補として、コンドリーザ・ライス氏が推すスティーブ・ビーガン氏(米フォード副社長)と、ネオコンの中心人物として名をはせたジョン・ボルトン氏を挙げた。

 「最も外交的ではない外交官」と評されたボルトン氏が就任した場合には、強硬外交一辺倒になる可能性を指摘し、その危うさを強調した。

 トランプ政権1年の教訓は「トランプはどこまでいってもトランプのままだ」という。何とも嘆かわしい現実を突きつけられた。


日本経済新聞社編集委員兼論説委員   大石格

ゲスト / Guest

  • 佐橋 亮 / Ryo Sahashi

    神奈川大学准教授 / Associate Professor, Kanagawa University

研究テーマ:2年目のトランプ政権

研究会回数:1

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