2017年03月09日 16:00 〜 17:00 10階ホール
内堀雅雄 福島県知事 会見

会見メモ

「震災から6年 福島の復興の現状と課題」と題して、復興へ向けた長い戦いと6年目の決意を語った。「風評被害など難題も山積しているが、県民とともに『挑戦県ふくしま』として前に進んでいく」。

 

司会 坪井ゆづる 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)


会見リポート

東日本大震災6年 「光と影」「長い戦い」「挑戦」

内堀雅雄知事は東日本大震災6年のキーワードを3つ挙げた。

 

①光と影②長い戦い③挑戦。

 

①の光は、たとえば避難指示区域の縮小だ。事故直後は県の面積の12%あったが、4月からは約3%になる。農産物から基準を超える線量は検出されない。温泉も日本酒も「日本一」の評価がたくさんある。中学生の合唱も全国トップだ。

 

影は、今なお8万人の避難者がいること。「避難指示の解除はゴールでなく、スタートライン」という現実。昨年、避難指示が解除された地域に戻った住民は1割ほど。今も農産物の価格は低く、修学旅行生は約5割しか戻っていない。

 

実情を語りながら、知事は現状の伝え方の難しさを口にした。

 

こんなに元気になりましたよと、「光」を語れば「もう大丈夫だね」と言われて風化が進む。まだまだ厳しいんですと、「影」に焦点を当てれば風評被害が積み重なる。そこで丁寧に「光と影」の両方を語ると、何が何だかよく分からない、という反応になってしまう。

 

じゃあ、どうすればいいのか。

 

知事の答えは「1回、来てみてください」だった。だから、県の観光パンフレットの表紙は「来て」の2文字だけが大書されている。

 

会場からは、質問が相次いだ。

 

避難指示が解除されても戻らない人々が「自主避難者」とされ、いずれ支援が打ち切られていいのか? 中間貯蔵施設はどうなるのか? 雇用創出策は大丈夫か?

 

聞きたかったのは、キーワードの「長い戦い」の具体的な中身、リアルな現場の話、県が果たすべき役割なのだという雰囲気が漂った。

 

知事は真摯に答えたが、どこまで理解が広がったのかは分からない。ようやく始まろうとしている原発被災地での「挑戦」の厳しさを改めて実感させられる会見だった。


朝日新聞社論説委員 坪井 ゆづる

ゲスト / Guest

  • 内堀雅雄 / Masao Uchibori

    日本 / Japan

    福島県知事 / Governor of Fukushima Prefecture

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