2014年09月12日 16:30 〜 17:30 10階ホール
研究会「デング熱の国内感染とその対応」高崎智彦・国立感染症研究所ウイルス第1部第ニ室室長、大西健児・都立墨東病院感染症科部長

会見メモ

70年ぶりに国内での感染が認められたデング熱について研究会を開いた。ウイルスや媒介蚊など研究面について感染研の高崎智彦ウイルス第1部第二室室長が、症状や治療など臨床面から墨東病院の大西健児感染症科部長が解説した。

司会 宮田一雄 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)
写真は左から高崎氏、大西氏


会見リポート

デング熱 国内感染の流行をどう受け止めるか

宮田 一雄 (企画委員 産経新聞特別記者)

デング熱の国内感染症例は最初の報告から1カ月もしないうちに100例を超えた。どう対応すべきなのか。高崎さん(左)からはデング熱の病原ウイルスおよびそのウイルスを媒介するヒトスジシマカについて、大西さんからは症状や診断、治療を中心にお話をうかがった。


感染症の報道は注意喚起の機能がある一方で、いたずらに恐怖や不安を煽り、社会に負の影響をもたらすリスクも抱えている。過不足のない報道はなかなか難しいが、会見ではその前提となる基本的な知識を基礎研究と臨床の両面から分かりやすく説明した。


ウイルスは4種類あり、1種類のウイルスには1度、感染を経験すれば免疫ができる。流行国では子どもの頃から複数回かかった経験を持つ人が多く、大体3回かかると4種類全部のウイルスに免疫ができ、かからなくなるという。


日本で免疫を持つ人は少ない。また、検査薬には健康保険が適用されていないなど、長く流行を経験していなかった分だけ対応には不備もある。長期的に感染症の流行を受け止め、その態勢を整え直す機会として、今回の経験を生かしたい。


ゲスト / Guest

  • 高崎智彦・国立感染症研究所ウイルス第1部第ニ室室長、大西健児・都立墨東病院感染症科部長 / Tomohiko Takasaki, National Institute of Infectious Diseases, Japan / Kenji Ohnishi, Director, Department of infectious dideases, Tokyo metropolitan Bokutoh general hospital

    日本 / Japan

研究テーマ:デング熱の国内感染とその対応

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