会見リポート
2026年05月20日
15:30 〜 16:00
10階ホール
アントニオ・グテーレス国連事務総長 会見
会見メモ
今年末で2期10年の任期を終える国連のアントニオ・グテーレス事務総長が訪日の最終日となる20日、会見に臨んだ。
国連の主要な機関のトップにより構成される国連システム事務局長調整委員会の会合がアジアで初めて東京で開催されるのにあわせ来日した。今年は日本が国連に加盟してから70年の節目の年にもあたる。
司会 有田司 日本記者クラブ副理事長(共同通信社)
通訳 長井鞠子/森岡 幹予(サイマル・インターナショナル)
The video in the English version is here.
グテーレス事務総長の冒頭発言の日本語訳は以下のページをご参照ください。
会見リポート
国際法違反こそが問題
大内 佐紀 (企画委員 読売新聞社調査研究本部研究員)
「多国間主義ではなく、国際法に違反する超大国の行動に問題がある」――。グテーレス氏は、日本での「最後の記者会見」(本人)で、これまでになく率直に超大国批判を展開した。念頭にあるのはロシアと米国だ。
年末に2期10年の任期が終わる。この間、世界が良い方向に向かったと考える人は少ないだろう。会見当日も、「国際の平和と安全」(国連憲章)を担うはずの安全保障理事会の2常任理事国は、それぞれウクライナとイランで国際法違反が指摘される紛争に関与していた。アフリカなどでは、地域パワーが裏で糸を引き合う内戦が絶えない。
それだけに、「超大国は安保理で拒否権を行使し、自らの責任回避を担保する。何をやっても罰を受けないというあしき例を超大国が示すのに、どうして中小国が(国際法を)守ろうとするだろうか」との嘆きは、安保理改革の必要性の強調につながった。
改革の柱の一つは5常任理事国に付与された拒否権のあり方だ。グテーレス氏の任期中に常態化した国連の機能不全の一大要因で、何らかの形で制限する必要があるとの認識で加盟国の大半は一致する。しかし、米露中3カ国が反対で、進むめどが立たない。
もう一つは安保理メンバーの拡大だ。第2次大戦終了直後の世界のパワーバランスを基礎とする現在の構成を、「今の世界の現実に合わせたものに変え、世界に正義をもたらす必要がある。この点は常任理もわかっている」と指摘したが、各論になると話が紛糾する。
国連創設の原動力で、最大のスポンサーでもある米国はトランプ政権下、拠出金の大幅削減を断行した。国連と諸機関が実施してきた人道支援にも甚大な影響が及ぶ。「我々が救おうとしてきた人々が代償を払っている」という状況下、後任選びが進んでいる。
ゲスト / Guest
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アントニオ・グテーレス / António Guterres
国連事務総長 / the ninth Secretary-General of the United Nations
