2014年08月28日 12:00 〜 13:30 10階ホール
田中明彦 JICA理事長 昼食会

会見メモ

今年10月に日本のODA供与開始から60年を迎える。国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長が、これまでの歴史や最近の事例を紹介し、記者の質問に答えた。

司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)


会見リポート

「還暦」のODAめぐる「理論と実践」

竹内 幸史 (朝日新聞出身)

理事長に就任してから2年4カ月で3度目の登壇だ。会見を聞くたび、国際政治学者の田中氏が援助機関トップとして、どのような「理論と実践」に挑んでいるのか、関心が深まってくる。

 

田中氏の政治学用語に「ワード・ポリティクス」という概念がある。抽象的であれ、目標を提示し、その実現のための説得工作を行うことだ。グローバル化の中で政府開発援助(ODA)を方向付け、組織を引っ張っていくため、明確な言葉で開発理念と情報の発信を心がけているようだ。

 

民主党政権時代の2012年の初会見では「援助を通じて世界も、日本も元気にできるはず」と語っていた。昨秋は、太平洋とインド洋の成長地域の周辺に広がる紛争国・脆弱国の支援を説いた。

 

今回は日本のODAが60周年を迎えたのを機に、戦後の賠償援助からの歴史をひも解き、現在、JICAが進めている自治体や大学、中小企業など各分野との連携の課題を解説した。

 

一方、ODAを急増させる中国にJICAは研究交流を持ち掛けているが、まだ成果は出ていない。学界での国際交流の経験も生かし、政府官僚とは異なる手法で日中対話の実践を期待したい。


ゲスト / Guest

  • 田中明彦 / Akihiko Tanaka

    日本 / Japan

    国際協力機構(JICA)理事長 / President, Japan International Cooperation Agency(JICA)

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