2011年11月30日 10:30 〜 12:00 10階ホール
フィンランド経産相と欧州・貿易相 共同記者会見

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)

通訳 西村好美(サイマルインターナショナル)


フィンランド大使館のホームページ

http://www.finland.or.jp/Public/default.aspx?contentlan=23&culture=ja-JP


会見リポート

謙虚だが、自信に満ち

滝田 洋一 (日本経済新聞編集委員)

ハカミエス経産相(右)とストゥブ欧州・貿易相。フィンランドからやって来た2人の閣僚は、謙虚だが自信に満ちた姿勢で会見に臨んだ。例えば日本でも関心の深い原子力発電所の問題。


ハカミエス氏は「4基が稼働中で、5基目を建設中。そして6基目と7基目の建設を決定している」という。現在、発電の30%を占める原子力については、ウエートを「20年後には60%に高める」とも。


福島原発事故の直後、実施した緊急点検では問題はなかったが、今後も入念にチェックする方針。温暖化問題やエネルギーの安定確保の観点から、安全性に十分目配りしたうえで、原発を推進する。「政府も国民もそんな現実主義を共有している」


もうひとつの関心事はユーロの危機。欧州問題を担当するストゥブ氏は、問題点を認めたうえで、ユーロという仕組みをどう改めていったらよいかを率直に語った。


「過去3年間、ユーロの危機は5つのサイクルを繰り返した」。①危機が発生する②緊急首脳会議を開く③深夜の午前2時半まで会議を重ねる④何とか妥協し画期的な合意だと発表する⑤不十分な対応だと週明け月曜日の市場でひじ鉄を食う──。


ユーモアを心得た語り口に、思わず座布団1枚と言いたくなった。ちなみに、ユーロ参加国の財政の立て直しについて、フィンランドは「きちんとしたルールを作るべきだ」との立場をとっている。財政が健全な国だけに当然の主張だが、発言に押しつけがましさはなかった。


働かない南欧の重債務国にはユーロ圏からお引き取り願っては? こんな質問に対しては「我々も日本の皆さんと同じくマジメに働きます。でも楽しむことも心得ていますよ」。直球の質問をうまくかわした名回答だった。


ゲスト / Guest

  • ユリ・ハカミエス経産相  アレクサンデル・ストゥブ欧州・貿易相 / Jyri Häkämies    Alexander Stubb

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