2011年01月25日 15:00 〜 16:00 宴会場・レストラン(9階)
橋下徹 大阪府知事

会見メモ

橋下徹・大阪府知事が記者会見し、大阪都構想について語り、質問に答えた。


≪「大阪に来てください。同じような体育館、病院、同じ高さのビル、みんな二つある。全部無駄!」≫


橋下知事は、「東京にいると問題を感じないかもしれないが、日本だけ都市のあり方をだれも議論しない。ロンドンもソウルも上海もどこも大都市戦略をたてているのに」と切り出した。政令市の大阪市は、府の中にもうひとつ都道府県があるようなものだ、と述べ、大阪都構想は「政令市のありかたへの挑戦だ」と説明した。府立大と市立大の大きな大学が二つあり、同じ高さで張り合ったビルも二つ建った、と大阪府と大阪市の二重行政の弊害を数え上げた。大阪市営地下鉄は「大阪市内だけで、わけのわからんところに終点がある。これでは大阪全体の発展はない」と述べ、広域行政の長と住民サービスの両方を平松邦夫大阪市長はやろうとしている、と批判した。大阪市内の区を特別区とし、区長を選挙で選び予算編成権を与え、中核市並みの権限と財源を持たせると構想を語った。

大阪市長選に出馬するかと質問されると、「その時にならないと表に出せない。しかし、平松市長にいくら説明しても話が進まない。選挙で決めるのは民主主義の王道だ」「知事と市長が同じ考えでやらないと進まない。大阪維新の会が両方とりにいかないと大阪都構想なんてできない」と答えた。また、大阪都構想の取り組みは「府知事の行政の仕事としてはやっていない。府知事として大阪市への権限を使ってやるならアウトだ。大阪維新の会はメンバーのポケットマネーでやる政治運動だ」と説明した。「道州制で関西州ができれば大阪都はなくなる。しかし大阪都もできないようでは道州制などできない」「都市を強くするのは国家戦略であり、本当は首相が示す構想だ」と勢いよく語った。

司会 日本記者クラブ企画委員 川戸恵子(TBSテレビ)


配布資料

三制度権限配分比較図(フリップ1)

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/0c082157b0b0d154e2771b793308751c.pdf

市民一人当たり地方債残高(フリップ2)

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/169dfaf2307b077cc3664b631894994c.pdf

大阪維新の会マニフェスト

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/a6f81fb18490c5fa1989f06d0311abcc.pdf

東京23区長のアンケート結果について

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/f32c5eb3c6c4c07f55b22b2358e24100.pdf

橋下作成レジュメ

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/4f96cbef6ae50c80b58d921c4ca9de2c.pdf


大阪発“地方分権改革”ビジョン

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/16f4dd73ece2c560ee7be9ab1e89e84c.pdf

特例市並みの権限移譲について

① http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/7cf64f35ed3f5444349773bfb29eb9de.pdf

② http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/b13fa660a495e4779d7817edd709ad31.pdf

③ http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/f20f21b92f544a701c540f54f46a4be6.pdf

関西州への道筋

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/f8f2828fc5479341e4431ac64a085fb5.pdf

橋下府政「変革と挑戦」の3年間

http://www.jnpc.or.jp/files/2011/01/08909140959f5b56af83ed411ee80422.pdf



大阪維新の会のホームページ

http://oneosaka.jp/

橋下徹後援会のホームページ

http://www.hashimoto-toru.com/

大阪府のホームページ

http://www.pref.osaka.jp/


会見リポート

「ケンカ民主主義」じゃない

坪井ゆづる (朝日新聞編集委員兼論説委員)

「大阪都構想」を一瀉千里に述べたてた。ノンストップの1時間20分。さながら独演会のようだった。

都構想とは「経営の視点で大都市のあり方を考える」もので、「政令市のあり方への挑戦」だという。

具体的には政令市の大阪市、堺市をつぶして特別区に再編し、広域行政は市の権限を吸収した大阪都が担う。そのために自分が代表の政党を率い、今春の統一地方選で、府と両市議会の過半数をめざしている。

ひしひしと伝わったのは、とにかく大阪市が邪魔だということ。京都府に匹敵する規模なのに「都市経営がむちゃくちゃ」。それが証拠に、市営地下鉄は「わけのわからん所に終点だらけ。市議が地元に線路を引いているデタラメさを見てくださいよ」。おまけに、府と市の二重行政も止めようがない。

だから大阪都にして港湾、鉄道、産業振興などの広域行政の司令塔をひとりにする。区長は公選制にするので、いまより分権もすすむと訴えた。返す刀で、分権改革に逆行すると書いた新聞を「世紀の大誤報だ」とこきおろしてみせた。

もうひとつ、筆者が新聞に書いた「ケンカ民主主義」という言葉も、お気に召さないようすだった。

首長新党で議会を制しようというのは、「かかってこいよ」という政治手法であり、弱者や少数者に配慮する民主主義とは異質ではないか。そんな風潮を危惧する趣旨で用いた言葉なのだが、「平松大阪市長とはさんざん話したが、もう無理」「知事の権限をつかって活動しているわけじゃない」「選挙で決める。僕はこれこそ民主主義の王道だと思う」と強く反論した。

最後は、大阪都に懸念を示す片山善博総務相について、「言っていることは全部間違いだと思う」と笑顔で斬りつけて会場をあとにした。

ゲスト / Guest

  • 橋下徹 / Toru HASHIMOTO

    日本 / Japan

    大阪府知事 / Governor, Osaka Prefecture

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