会見リポート
2026年02月16日
15:00 〜 16:30
10階ホール
「2026年経済展望 激動の世界と日本を読む」(5) 門間一夫・みずほリサーチ&テクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト
会見メモ
みずほリサーチ&テクノロジーズの門間一夫エグゼクティブエコノミストが、「変容する内外経済と金融政策」と題して、国際情勢などを踏まえて日本経済の現状を整理し、今後の展望について話した。
司会 石原淳子 日本記者クラブ企画委員(テレビ東京)
会見リポート
低成長「失われた40年」へ
原 真人 (朝日新聞社編集委員)
歯に衣着せずというのか空気をあえて読まないというのか、堅実な語り口がスタンダードの日本銀行幹部OBとしては異色の人だ。
「日本の政府債務の対GDP比が230%という世界最悪の水準になっても15年くらいはもっている。今後GDPが増えれば、これ以上はそう簡単に比率は上昇しない」
「高市首相はこれを下げるという、うまい目標を掲げた」
物事を客観的、論理的に説明することを是とする言いぶりは、時に本人が意図する以上に楽観的に聞こえてしまう。ただ、それは本意ではないという。
「230%はそのままでもいいのか、下げた方がいいのか。実は誰も答えを持っていない」。それを認識するところからしか確かな道は見つからないのだと言いたいらしい。
日本経済に対する「常識」も次々とバッサリ斬り捨てていった。
「昨今のインフレで、日本はますます低成長になってきた。これまで言われてきたようにデフレで低成長に陥ったわけではない」
「賃上げすれば経済の好循環が実現するというのは間違い。ますます物価は上がる。価格転嫁なき賃上げをしない限り好循環は実現しない」
政治家たちはいつも選挙のたびに「この政策を進めればうまくいく」と喧伝する。だがそれはミスリードだという。「マクロ経済は壮大な複雑系システムであり、人々の成長期待を上げる確実な経済政策はない」
株価低迷は「失われた20年」で終わった。2010年代前半が底値で、その後はずっと上昇を続けている。金利のない世界もようやく「失われた30年」で終わった。
だが低成長だけがまだ終わっていない。成長は「失われた40年」へと向かうことになるだろう――。
日本経済の現在地を歴史軸で位置付けるならそうなると予測する。
ゲスト / Guest
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門間一夫 / Kazuo MOMMA
みずほリサーチ&テクノロジーズ エグゼクティブエコノミスト / Executive Economist, Mizuho Research Institute Ltd.
研究テーマ:2026年経済展望 激動の世界と日本を読む
研究会回数:5
