会見リポート
1997年04月08日
00:00 〜 00:00
10階ホール
ローマン・ヘルツォーク・ドイツ大統領
会見メモ
・・・「ドイツのプレスはつねに十分情報が与えられないと、政治家はよからぬことを考えていると勘ぐるので、いつもそういうふうにしていますヨ。(わずかにほほえみながら)普通に報道の重要性を認識していると言うべきですネ」
「日本の政治家もみんなそうあってくれればいいのですが、なかなか情報公開してくれないので…」
貴賓室での大統領と加藤理事長のやりとり。謹厳そのものにみえる大統領なのだが、品のよいユーモアのセンスもある。就任前の87年から94年までは連邦憲法裁判所長を務めた。国賓として訪日。記念署名の際に、書いた言葉は「報道の自由なしには民主主義はない」。ドイツの理性、良心を代表する人といってよい。
会見でのスピーチでは、日独協力のあり方に言及。国際社会で両国に与えられている条件に共通性が多いとし、「これまで以上に互いに政治目的をすりあわせ、世界に対する政治的責任を果たしていくべきだろう」と。橋本首相との会談でも「両国が安保理常任理事国入りを果たすということは、これまで以上に政治的責任を引き受けるということを表明することになる」ということで合意した。
大統領はまた「ソフト・パワー」という表現を使い、軍事力をコアとする古典的外交でなく、「予防と緊張緩和」に照準を定めたもっとやわらかい手法での貢献が、日独にふさわしいのだ、と。・・・
(日本記者クラブ会報1997年5月号9~10ページから引用)
ゲスト / Guest
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ローマン・ヘルツォーク / ROMAN HERZOG
大統領 / President