2006年01月23日 00:00 〜 00:00
高坂節三・経済同友会憲法問題懇談会委員「憲法」5

会見リポート

「価値の体系」からの改憲論

近藤 仁志 (個人会員(毎日出身))

日本は今、「第三の開国」をしなければいけない。憲法公布から60年、還暦。変わりどきだと、いう。

経済同友会で憲法問題の意見書(2003年4月)をまとめた高坂氏。改憲目標は「自立した個人」「自立した国」づくり。

改めるべき重点は、「前文」と「9条」である。

前文は、平和主義など人類共通の「普遍的価値」を強調。勤勉な日本人の特質、伝統や文化にみられる国の個性、国際平和構築への主体的参画もない。他方、グローバル化の中でIT技術、環境問題など多様化する価値への認識を含めて、「価値の体系」の見直しが肝要。

「価値の体系」なんていう知恵は兄(故・正堯氏、国際政治学者、京大教授)から、と首をすくめながら高坂氏は開国論を説いた。

第一は、明治維新。富国強兵─「力」の体系。二番目の開国は、第二次大戦敗北で生まれた新憲法体制。戦争を放棄(「9条1項」)し、安全保障はアメリカまかせ。「利益・富(経済)」の体系を走り、「なんでもカネで済ます」。プリンシプル(原理原則)がない国のうえに、国民は思考停止。

転機は、90年の湾岸危機。大金を支援したが、憲法上、「人」─自衛隊は出せなかった。一国平和主義の是非が問われた。

改憲の核心「9条」については、第2項(戦力不保持、交戦権の否認)を削除。自衛隊と、国連憲章にもある集団的自衛権の行使を認めること。この点、日米協議が大詰めの米軍基地再編計画で、「日米安保」も「世界安保」へといわれる米国の世界戦略と軌を一に─筆者にはそう思えた。

現在、憲法改正に必要な「国民投票法」もできていない。改憲の見通しを高坂氏は「護憲派も少なくない。国のかたちなど大枠で国民的合意がなければ、難しいかな」と。


ゲスト / Guest

  • 高坂節三 / Masataka Kousaka

    日本 / Japan

    経済同友会憲法問題懇談会委員 / Japan Association of Corporate Excutives

研究テーマ:憲法

研究会回数:5

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