会見リポート
2005年12月19日
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近藤剛・中日本高速道路会長
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会見リポート
株主は政府でなく国民
縣 忠明 (産経新聞論説委員)
昨年10月1日に民営化されて落ち着いたのか、今回は静かな口調に終始した。もっとも、スピーチの内容は相変わらず理路整然としていた。
民営化会社に課せられた責務は、40兆円を超える債務を45年かけて返済することだ。返済の原資は通行料金である。このため、パーキングエリアやサービスエリアなどで収益を上げるビジネスモデルの構築に迫られている。
それには公団時代のような高コスト体質からの脱却が不可欠である。近藤会長もまずこの点を強調し、「業務や意識改革でコストの最小化を図る」姿勢を明確にした。社員からは多くの企画案が出ており、積極的な投資をしていく構えだ。
民営化する直前に発覚した「官製談合事件」については「膿を出し切るという意味で、不幸中の幸いだった」と振り返る。こうした不正を繰り返さないためにも、情報公開が絶対条件となろう。
今後の課題は、民営化の際にも問題となった新しい高速道の建設をどうするかだが、近藤会長も建設の必要性を強調した。同時に、暫定2車線で開通して中央分離帯のない道路についても、4車線化する意向を明らかにした。
だが、こうした路線は交通量は少ないであろう。費用対効果を優先して考えるべきではないか。
「われわれの株主は国民」と言い切った近藤会長だが、多くの難題も予想される。この日のスピーチのように、経営も理路整然と裁けるか、じっくりと見守りたい。
ゲスト / Guest
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近藤剛 / Takeshi Kondo
中日本高速道路会長 / President, Central Nippon Expressway Company Limited
