2004年06月22日 00:00 〜 00:00
有森裕子・国連人口基金親善大使「HIV/エイズ」17

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会見リポート

インド最貧州を視察

宮田 一雄 (産経新聞論説委員兼編集委員)

二大会連続で五輪女子マラソンのメダルを獲得した有森裕子さんは2年前に国連人口基金の親善大使に就任した。一九九六年のアトランタ五輪終了後、カンボジアで復興支援のハーフマラソンに出場し、それがきっかけとなってカンボジアの人たちの自立を助けるボランティア活動を続けてきた実績が評価されたからだ。

親善大使としてはこれまでカンボジアとタイを訪問しており、今回新たに6月8日から11日間の日程でインドを訪れた。

インドは推定458万人と南アに次いで大きなHIV感染者人口を抱える国だが、それでも10億を超える巨大人口の中では1%にも満たない。逆に言えば、感染が拡大する余地はきわめて大きく、2010年には感染者が2000万人を超えるとの予測もある。

そのインドの中でも最も貧しい州の一つとされるオリッサ州、巨大都市ムンバイ(旧ボンベイ)のあるマハラシュトラ州の2州で、女性の健康を守るための自助グループやスラムに作られた保健施設などを訪れ、男の子を産まなければ存在価値も認められない厳しい状況について直接、貧しい女性たちから話を聞いたという。

貧困やエイズの流行による打撃は途上国の女性にとって極めて深刻だが、有森さんは「カンボジアではまだ人々が自分から何かをしようという力は沸き起こっていない。それに比べると、インドでは女性の地位は牛より低いと言われるほどなのに、表情が死んでいない。貧しくても弱い印象は受けなかった」と語った。

ゲスト / Guest

  • 有森裕子 / Yuko Arimori

    国連人口基金親善大使 / Goodwill Ambassador of UNFPA

研究テーマ:HIV/エイズ

研究会回数:17

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