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「読者中心」のメディアへ(明知隼二)2017年9月

★トム・ローゼンスティール アメリカン・プレス・インスティテュート代表理事を取材して

 

『ジャーナリズムの原則』共著者のローゼンスティール氏との会合は、旅の締めくくりにふさわしいものだった。メディアの今後を巡る議論で特に印象的だったのが、一見当たり前の「読者中心」との考え方だ。「メディアが読者に無条件の信頼を求める時代は終わり、読者がメディアに信頼の根拠を求める時代になった」との指摘には、はっとさせられた。

 

今回の旅では米メディアのデジタル化の速さに圧倒され、地方紙を巡る厳しい見通しには暗い気持ちにもなった。それでも、地方紙の強みは地域や読者との近さだろう。テクノロジーや読者、地域との協働という氏の提言を、しっかり消化していきたい。

 

(中国新聞社)

 

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