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過酷な現実 前向く人たちに希望を伝えたい(岩手日報社 榊 悟)2013年3月

昨年12月に本社が行った県政世論調査で、震災の風化を「感じる」「やや感じる」を合わせた回答が、実に84.1%に上った。盛岡など内陸では震災は過去の記憶になりつつある一方、沿岸の住民は「取り残される」ことへの不安を示す結果だった。被災県の本県でさえこの結果に、大きな危機を感じている。

 

県内で約6千人の犠牲者を出し、今なお約4万人が仮設住宅で暮らす。この現実を決して忘れず、伝え続けることが大原則だ。これまで、3千人以上の犠牲者の人柄を紹介した特集「忘れない」などを展開。毎日の紙面では1面、社会面で必ず沿岸被災地を取り上げ、復旧・復興の現状と直面する課題を指摘する記事を掲載している。

 

ただ、同時に思うのは、彼らは単に同情すべき存在ではないということだ。厳しい現実に対峙し前を向く人たちがいる。その人たちを応援し、未来への希望を伝えなくてはいけない。このことは常に肝に銘じ、意識的に被災地の明るい話題も掲載している。

 

今後はこの教訓をどう全国に発信するかが重要だ。防災上の課題はもちろん、国の復興事業を検証し提言することが、現場にいるわれわれの使命だと思う。

 

(報道部次長)

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