2026年01月30日 13:00 〜 14:30 10階ホール
「2026年経済展望 激動の世界と日本を読む」(2)永濱利廣・第一生命経済研究所首席エコノミスト

会見メモ

高市内閣の経済財政諮問会議の民間議員を務める永濱利廣・第一生命経済研究所首席エコノミストが「インフレ経済がもたらす構造転換」と題して、2026年の経済の展望、ポイントについて話した。

 

司会 吉村英輝 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)


会見リポート

「積極財政」に期待と警戒

松田 靖子 (時事通信社経済部)

 政府の経済財政諮問会議(議長・高市早苗首相)の民間議員を務める永濱利廣・第一生命経済研究所首席エコノミストは、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」について「株式市場では期待が高まる一方、債券・為替市場では警戒が強まっている」と指摘した。財政悪化の懸念から円安と長期金利の上昇が急速に進んだとして、政府には丁寧な情報発信を求め、「(市場との)ミスコミュニケーションを是正していくことが必要だ」と語った。

 首相は、財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を巡り、単年度で達成を目指す目標設定の取り下げを表明。政府債務残高の対国内総生産(GDP)比の引き下げで財政規律を維持し、市場の信認を確保すると強調している。これを提案したのが永濱氏だった。

 永濱氏は、単年度のPB黒字化の下では将来必要な財政支出が不足する恐れがあると指摘。「拡張財政を志向しているわけではない」とバラマキ懸念を否定した上で、成長の範囲内で支出を行い、債務残高対GDP比を引き下げていくことで「財政の持続可能性を担保する」と説明した。

 高市政権が打ち出した供給力強化による「強い経済」の実現に向けては、人工知能(AI)・半導体などへの投資促進が要となる。金利上昇が「設備投資の抑制要因になる」と指摘するものの、日銀の利上げが進まず「円安が行き過ぎることも容認できない」と解説する。

 積極財政という言葉が与えた印象にも言及し、放漫財政かとの誤解を生じさせたとして「『積極』のところが一人歩きしている」との見方も示した。今仮に名称変更できるなら「戦略財政」や「先見財政」がいいと語った。


ゲスト / Guest

  • 永濱利廣

    第一生命経済研究所首席エコノミスト

研究テーマ:2026年経済展望 激動の世界と日本を読む

研究会回数:2

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