2020年07月22日 15:30 〜 16:30 10階ホール
山口那津男・公明党代表 会見

会見メモ

山口那津男代表が会見し、現在進められている感染拡大防止策・経済対策への党の考え、今後とるべき政策について話した。

司会 伊藤雅之 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 


会見リポート

「首相に直談判」の舞台裏明かす

清水 真人 (日本経済新聞社編集委員)

 衆院解散・総選挙について冒頭発言では触れず、質疑の中で答えた。新型コロナウイルスの感染再拡大の気配も踏まえ、今は「与党がしっかり体制を立て直し、仕事に取り組め、という局面だ」との認識を示した。

 「国民に不安を与えない政権運営が必要だ」とした上で、感染の抑止と経済回復の両立に向けて「矢継ぎ早に取り組む課題がある」と強調。「国際社会にも混乱がある」と世界情勢への目配りも求めた。

 「野党が弱いから今のうちに(解散を)やってしまえ、では国民は歓迎しない。国民が納得する大義名分が必要だ」とも述べた。早期の衆院選には慎重な姿勢をにじませつつ、選挙時期の選択肢には一切触れずじまい。「その中で解散権を持つ人が懸命に考えるのだろう」と安倍晋三首相の判断を見守る構えに徹した。

 コロナ対応の半年を振り返り、二つの場面を力説した。第1は感染抑止の主役を担った政府の専門家会議は、厚生労働省と内々に相談しながら「公明党が提言して、早速設置された」という経緯。第2は一度は閣議決定した2020年度第1次補正予算を覆し、1人一律10万円の特別定額給付金を実現したことだ。

 4月15日午前、首相に党首会談を申し入れ、一律給付への転換を直談判した。その際、首相自身も当初は一律10万円を望んでいたことを察して「いったい誰が今の方針を決めたのか。財務省が国の方針を決めるのか」と説得に努めた、と明かした。

 その夜、与党幹事長・政調会長レベルで協議しても不調だったのを受けて「大きな決断は首相と私でしなきゃならない」と腹をくくったという。翌朝に首相に電話で「断固、一律給付を実行すべきだ」と迫った。

 徒手空拳ではなかった。1次補正の組み替えにさほど時間はかからない。その実務的な裏付けを財務省から取った、と首相を口説いた内幕を打ち明けた。取材によれば、遠山清彦財務副大臣からの情報だった。


ゲスト / Guest

  • 山口那津男 / Natsuo Yamaguchi

    日本 / Japan

    公明党代表 / Chief Representative, New Komeito

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