2015年10月16日 15:00 〜 16:30 10階ホール
マリナ・シルバ ブラジル元環境相 会見

会見メモ

マリナ・シルバ元ブラジル環境相が会見し、記者の質問に答えた。
司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)
通訳 竹原ミチコ


会見リポート

人類に逃げ場はない

井田 徹治 (共同通信編集委員)

「現在の世界の開発モデルは、環境面、社会面など多くの側面で持続可能ではない。人類は早急に、より持続的な開発モデルを手に入れなければならない」―。ブラジル・アマゾンの貧農の家に生まれ、苦学の末にブラジル史上最年少の上院議員となったことで知られる。アマゾンの熱帯雨林保護活動の最前線に立ち、ルラ政権時代には環境大臣も務めたシルバ氏。闘志を内に秘めた静かな語り口で、現代の文明が直面する危機の実相を描いてみせた。環境の危機、社会的な危機など多くの危機が折り重なり「現代文明は存立の危機に立っている。一部の国や政治家だけでなく人類全体が取り組まなければいけない問題だ」と訴えた。

 

2030年までに国際社会が達成をめざす17項目の「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、年末にはパリで気候変動枠組み条約会議が開かれる。今年は、持続可能な社会づくりへの歩みを速める年としなければならない。

 

「過去にも滅んだ文明はあったが、現代文明の危機は地球上の全ての場所で、全ての人間を網羅している。われわれに逃げる場所はないのだ」という言葉が印象的だった。


ゲスト / Guest

  • マリナ・シルバ / Marina Silva

    元環境相 / Former Minister of the Environment

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