2015年02月04日 13:30 〜 15:00 10階ホール
高橋進 日本総合研究所理事長 研究会「2015年 経済見通し」⑤

会見メモ

経済財政諮問会議の民間議員を務める高橋進・日本総合研究所理事長が「アベノミクスの行方と日本経済」をテーマに話し、記者の質問に答えた。
司会 実哲也 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)


会見リポート

アベノミクスは今年が「勝負の年」

実 哲也 (企画委員 日本経済新聞論説副委員長)

「アベノミクス解散」とされた昨年末の総選挙で自民党が勝ち、安倍晋三首相にとっては長期政権も視野に入ってきた。アベノミクスは国民のお墨付きを得たというのが政府・与党の判断だろう。だが、マクロ経済政策の司令塔を務める経済財政諮問会議のメンバーである高橋進・日本総研理事長から見れば、慢心しているゆとりはない。アベノミクスは今年こそが「勝負の年」だと強調した。

 

首相は消費税率を10%に引き上げる2017年4月までの約2年の間にデフレ脱却を確実にするとしている。その成否は、政策の決定や効果が出るまでの時間を考えれば、今年何をするかで決まるというのが高橋氏の見立てだ。

 

同時に財政再建の重要性も強調した。成長促進で税収を増やすのも大切だが、毎年膨らむ社会保障費に思い切ってメスを入れない限り、20年に基礎的財政収支を黒字にするという約束は果たせないという。公的医療保険でカバーする範囲の見直しなど抜本的な対策の必要性を熱っぽく説いた。

 

さまざまな抵抗を乗り越えて、いま前進していかなければ経済再生のチャンスは2度と来ない。そんな危機意識がずしりと伝わってくる会見だった。


ゲスト / Guest

  • 高橋進 / Susumu Takahashi

    日本総合研究所理事長(経済財政諮問会議民間議員)

研究テーマ:2015年 経済見通し

研究会回数:5

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