1991年04月25日 00:00 〜 00:00 会見室
緒方貞子・国連難民高等弁務官

会見メモ

今年1月1日、第8代の高等弁務官に就任。赴任時(2・18)1500万人だった難民は、今や1750万人に膨れあがっているという。
クルド族を中心にしたイラク難民が増加しているわけだが、4月中旬には「軍用ヘリに初めて乗って」、イランのバクタラン州と西アゼルバイジャン州の難民キャンプを訪れ、つぶさにその実情を視察した。いきおい「テントがまだまだ足りない」との言葉も説得力を持つ。「難民援助の75%が輸送費用に消えてしまう。その高さに驚いた」とも。
また、クルド難民救済のためイラク国内に「人道センター(ヒューマニタリアン・センター)」を準備していることを明らかにした。
「日本政府から1億ドル、個人・民間からは4億6000万円にものぼる募金が寄せられている。経済界でも難民救済の民間基金を作ってくれることになった。本当にありがたい」と述べた。民間基金目標は1000万ドル(14億円)だそうだ。
「一時的な難民救済だけでなく、恒久的な支援組織を作っていかなければ」とも言った。明快だった。

日本記者クラブ会報1991年5月号7ページから引用

会見音声


ゲスト / Guest

  • 緒方貞子 / Sadako Ogata

    国連 / UN

    難民高等弁務官 / High Commissioner for Refugees

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