会見リポート
2008年10月23日
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サーエブ・エラカート・PLO交渉局長/メイル・シトリート・イスラエル内相
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会見リポート
前途多難─粘り強い努力を
和田 浩明 (毎日新聞外信部)
2人とも、米国などが仲介した「ロードマップ」に基づく二国家が共存する和平案に関し、「合意実現のため、努力は惜しまない」(シトリート氏)「唯一の選択肢として追求する」(エラカート氏)と真剣な取り組みを強調した。しかし、前途は多難だ。昨年11月のアナポリス中東和平国際会議で発表された「08年末までの包括合意」の目標達成は、双方の事情から時間切れになりつつある。
パレスチナ側は、昨年6月にイスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ自治区ガザを武力制圧、穏健派ファタハと対立し分裂状態に陥っている。エジプトの仲介で諸派間の調整が続いているが、先行きは不透明だ。
イスラエルも、汚職疑惑でオルメルト首相が辞意を表明、後継として最大与党カディマの党首に選ばれたリブニ外相が各党との連立協議を断念するなど、政治混乱が続く。仲介役の米国でも現政権の任期切れは来年1月に迫り、和平推進への積極関与は極めて困難な状況だ。
信頼醸成会議のシンポジウムでは、イスラエルとパレスチナの出席者が激しい批判をぶつけ合う一幕もあり、交渉の難しさを感じさせた。「信頼は深まったか」と問うと、「撃ち合いより言い合いのほうがいい」(エラカート氏)「対話の継続が重要」(シトリート氏)との答え。和平に向けた粘り強い努力を望みたい。
ゲスト / Guest
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サーエブ・エラカート / Sa'eb Eraka
PLO交渉局長 / Director of Negotiations
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メイル・シトリート / Meir Sheetrit
イスラエル内相 / PLO/Interior Minister, Israel