会見リポート
2004年03月22日
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緒方貞子・JICA理事長
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会見リポート
知恵は現場から
田中 和夫 (日本放送協会解説委員)
緒方さんのこの言葉は、昨年、特殊法人から独立行政法人となった途上国支援機関JICAの初代理事長として、改革の指針を述べたものだ。「看板をかえただけ」という声も聞かれるJICAの再出発だが、十年に及ぶ国連難民高等弁務官時代に様々な現場を飛び回り、業績を残してきた緒方さんのこの言葉は、JICAが変身するのではないかという期待を抱かせた。
緒方さんの「現場主義」は「実務主義」でもある。第一段階として海外へ派遣する職員を増やすという。このように実務的だからこそ、一昨年の東京におけるアフガニスタン復興支援会議の共同議長の大役も、見事にこなすことができたのだろう。
「先週十年ぶりにベトナムとカンボジアに飛び、援助の成果を確認してきた」。緒方さんの現場主義は現在も健在だ。このような緒方さんだから、JICAの枠を超えた様々な質問が浴びせられた。
「イラクの現状をどう思うか?」「国連改革は?」。緒方さんの答えは論理的かつ具体的だ。その上、将来をも見つめている。例えば、中国への政府開発援助については「もう必要ない部分もあるが、止めるというのは短絡的だ」と言う。このような視線は仕事だけでなく家庭をも大事にしてきた中で培われたものだろう。世界の人が魅きつけられるわけだ。
「知恵は現場から」。我々ジャーナリストへのメッセージでもあるこの言葉の重みと緒方さんの魅力を存分に味わった昼食会だった。
ゲスト / Guest
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緒方貞子 / Sadako Ogata
国際協力機構 / JICA
理事長 / President