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第2回アジア経済視察団(2002年2月) の記事一覧に戻る

産経新聞 辻野訓司 2002年2月

スラム街のボロ家と、その前の幹道でふざけ、水浴びする子どもたちの明るい表情のギャップは何なのか―。視察団に参加し、マニラ・トンド地区を訪れ、9年前にベトナムへ行ったときの記憶がよみがえった。

 

スラム街越しにそびえたつ摩天楼群。1日1ドル以下で暮らす人がたくさんいる一方で、日本円換算で230円もするマックのセットをほおばり、170円もするスタバを楽しむ若者も少なからず存在する。アロヨ大統領が貧困対策を最重要課題にあげざるを得ないほど、貧富の格差が大きくなっていることは数日の滞在で十分に分かった。

 

しかし、塾通いで疲れ果てた顔が多い日本の子どもたちと比べると、トンド地区の子どもたちはとてもいきいきとして見えた。人間にとって本当の幸せとは…。途上国・地域へ行くと必ずぶつかる疑問を久しぶりに思い出させてくれる旅だった。事務局のみなさんに感謝、感謝。

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