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第1回アジア経済取視察団(2000年12月) の記事一覧に戻る

朝日新聞社 和泉純 2000年12月

各国首脳、政党党首と会見した「場所」がそれぞれに面白かった。マハティール首相は新首都プトラジャヤの首相府。小高い丘の上にそびえる壮麗な建物で、モスク風のドームが乗っている。新首都は緑地も確保され、機能的だが、その分人臭さというか面白みがないように感じた。人工都市の常ではあるが。

 

ワヒド大統領の会見はムルデカ宮殿で。会見後、中庭を歩いていると、インドネシア音楽が聞こえてきた。あずまやのようなところで宮廷(官邸?)楽士が演奏している。政権は難問山積で経済回復もスローベースだが、大国の一種のゆとりというべきか。

 

タクシン・タイ愛国党党首は、通信事業で一代で財を築いた人らしく、自分の所有するビルで会見した。まことにつまらぬ話だが、前の2国はイスラム教の断食期間(ラマダン)で飲み物が出なかったが、タクシン氏の会見ではコーヒーか紅茶に小菓子が供された。

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