ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


第1回アジア経済取視察団(2000年12月) の記事一覧に戻る

山陽新聞社 綾野雄紀 2000年12月

地方紙の記者にとって、海外取材のチャンスはそう多くない。姉妹都市訪問や観光、企画記事の取材ならともかく、”経済視察”は非常にまれだろう。今回の視察団にさんかできたのは、大変な幸運だった。

 

数多くのスケジュールの中でとりわけ印象的だったのが、各国首脳らとの会見だ。インドネシアのワヒド大統領はつぶやくように語り、マレーシアのマハティール首相はかたくなに持論を展開した。次期首相を狙うタイのタクシン愛国党党首は、実にギラギラしていた。

 

短い期間に3人の指導者にインタビューし、彼らの考え方や人となりに、直接触れることができた。彼らには「この国をこうしたいんだ」という強固な意志が共通していた。首相になることだけが目標の、どこかの国とは全く違っている。指導者とは次元が異なるが、地方紙の記者にも「大きな志とビジョンが必要だ」と痛感した旅でもあった。

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