取材ノート
ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。
朝日新聞出身 長沢光男 2000年12月
過密なスケジュールだったが、それだけに中身が濃かった。最高指導者の自信に満ちた発言を聞いているうち、日本のリーダーの顔がオーバーラップした。日本に将来はあるのか、と思わず考えた。
日本から進出した企業で、労賃の安さを改めて思い知らされた。彼らが組み立てている四輪車は、一生働いたって買えないじゃないか。
産業の空洞化、ODAの削減の問題。耳では相手の発言を聞きながら、頭は別のことを考えていた。
夜は夜で、充実した毎日だった。家へ帰る心配をしなくてすむのが何よりもよい。ある晩は屋台に毛の生えたような店で、ある晩はホテルのバーで生演奏を聴きながら。クラブのカウンターでの放談とはまた中身の違う話を肴にして…。
ところで、今年もやるんでしょうね。