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第19回(北欧)社会保障(2018年6月) の記事一覧に戻る

福祉の模索は世界共通の課題(NHK 古川賢作)2018年6月

★コントゥラ多目的サービスセンターを取材して

 

 

ヘルシンキ郊外にある地域活動やグループホームの機能を併せ持つ多目的施設。市が運営し、レストランや手芸教室、国民が愛するサウナもある。認知症の高齢者や移民など広く地域にも開放されている。

 

幸福度が世界一のフィンランドでも、高齢化が喫緊の課題という事情は我が国と同じ。日本と異なり子どもには親に対する扶養義務はなく独居率が高い。それだけに社会で孤立しない環境づくりに示唆を得た。一方、施設の担当者は「介護職員は他の職種と比べて低賃金で人手不足。移民が増える中で多文化な社会的ケアも急務」と指摘する。新たな福祉のあり方の模索は将来世界が抱える共通の課題だと痛感した。

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