ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


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「熊日に言いたい」(熊本日日新聞社 永森睦夫)2016年10月

熊本空港近くにつくられた仮設住宅団地に住む高齢の女性は、日本記者クラブ取材団の記者に、団地内に乗り入れるバスについて不満を述べたという。「路線バスとの接続が悪い」「仮設団地同士を結ぶ路線があれば避難所で一緒だった人に会いに行けるのに」と。その後、女性は続けた。「(こんな話を)熊日に言いたい。熊日に聞いてほしい」

 

県民だれもが「まさか」と思った2度の震度7から半年。さまざまな報道を続けてきた。連載中の「被災者日記」では平穏な日常を奪われた人々の声を聞き続けている。今回、取材団にも「関心を持ち続けて」と訴えるつもりだった。しかし逆に熊日に対する被災者の思いをすくい取ってもらった。まだまだ多くの人に寄り添う必要があると教えられた。

 

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