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神戸の経験を静岡の防災へ(静岡新聞社 寺田拓馬)2014年12月

静岡県の防災関係者には漠然とした不安感を持つ人がいる。地震そのものへの不安ではない。東海地震への防災計画に長年取り組む一方で、大災害の経験がないための不安感。

 

「生活インフラも人のつながりもすべて壊れた」「風化は外部の話で、被災者の悲しみは消えない」。今回の取材で〝生の声〟に触れ、事前対策の必要性を再認識した。

 

地震直後に共助で隣近所を救助した北淡町で、「震災で過疎化に拍車が掛かった」という嘆きを聞いた。神戸市内は公営住宅の孤独死がいまもなくならないという。復興にも防災にも、地域の絆は欠かせない。神戸に学び、不安解消につながる防災報道に努めようと決意を新たにした。

 

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