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住民本位と「速さ」の両立が課題(河北新報社 坂井直人)2014年12月

「復興とは何だろうか」。神戸の現状に触れ、考えさせられた。

 

短期間で決まった行政主導の過大な再開発は商店主を苦しめ、街並みは個性を失った。震災遺構はほとんど残されず、語り部たちが災害の怖さを伝える難しさに直面していた。

 

取材で感じたのは、被災者同士が話し合い、納得できる「住民本位の復興」の大切さだ。一方で、仮設住宅で暮らす東北の人々がいま求めているのは、事業の加速化。どうしたら両立させられるのか、悩ましい。

 

震災前から高齢過疎にあえぐ東北の20年後は、人口が増えた神戸よりも厳しいかもしれない。だからこそ、教訓をもっと学ばなければならない。そんな思いを強くしている。

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