ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


第15回(中国)新常態(ニューノーマル)の経済現状と課題(2016年8月) の記事一覧に戻る

垣間見た自国への複雑な感情(深澤 亮爾)2016年8月

「お姉さん、日本人みたいだね」。杭州の浙江日報を訪ねた時、男性幹部の言葉に、通訳の中国人女性は「謝謝」と答えた。巨大都市や桁違いの統計に中国の繁栄と洗練を思い知ったが、他方、時に熱を帯びる議論や何げない会話の中に、人々の自国の現状認識に対する複雑な感情も垣間見た気がした。

 

大陸と列島。易姓革命と万世一系。同文同種と思って実際に訪れてみると、両国の距離は政治体制の違い以上に大きいのでは、とも感じた。日本を、世界をどう見ているのか、14億の人々の感情に注意したい。

 

(読売新聞社) 

ページのTOPへ