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本音の議論、継続を(中澤 克二)2015年11月

初の日本記者クラブ訪中団の受け入れは、中国の対日姿勢の変化を映していた。ホスト役はパブリック・ディプロマシーを担う中国公共外交協会。民間をうたうが、多くの人材が中国外務省から派遣されている。

 

中国は南シナ海などで周辺国と摩擦を引き起こしている。同協会が主催した訪中団との座談会には中国紙、環球時報の編集者、孔子学院の関係者らが出席。中国の実情がそれなりに見えた。先方の努力を評価したい。だが、まだまだ不十分である。日中双方は今後、官製色を薄め、率直な議論ができるさまざまな場を作るべきだ。本音の議論の継続こそが日中の衝突を防ぐ最良の手段になる。

 

(日本経済新聞編集委員兼論説委員)

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