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第13回(ドイツ・イスラエル)戦後和解(2015年7月) の記事一覧に戻る

「謎」が深まる(齋藤 雄介)2015年7月

知れば知るほど謎が深まる。9日間のドイツ・イスラエル取材は、そんな不思議な旅だった。

ベルリン郊外の湖畔に建つヴァンゼー会議記念館。ナチスの親衛隊幹部は、ここで欧州に住むユダヤ人1100万人を絶滅させる手順を決めた。たった1時間45分で、淡々と。イエス・キリストの磔刑までさかのぼる、根深い差別の歴史が根底にあったと聞いても「なぜ」が消えない。

大量虐殺を経験した両国の和解はドイツ側の猛省と、首脳らが冷戦下の現実を直視してきた積み重ね。だが、パレスチナ難民という別の現実も。消化に時間がかかっている。

 

(中日新聞社会部)

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