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住民の心、いまだ癒えず(湯之前 八州)2017年2月

新聞記者である以上、東日本大震災の被災地を一度は歩かなければならない。義務感のような思いに駆られて取材団に参加した。2泊3日の駆け足だったが、初めて被災地を見て、一端を知ることができた。

 

6年を経ても、住民の心は癒えていなかった。元田久美子さんは「義母を助けられたかもしれないと自分を責めている」と言った。復興研究会の女子生徒は、流された自宅のあった地区を「まだ通れない」と語った。「無理に心の整理を付けなくてもいいと呼び掛けている」。高橋英悟住職は、こう話す。

 

被災地の現実や住民の気持ちは正しく伝わっているのか。九州の新聞社はどう報じるべきなのか。重い課題を突きつけられた気がしている。

 

(西日本新聞東京支社記者) 

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