ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


東京電力福島第一原発取材団(2017年2月) の記事一覧に戻る

記者それぞれの視点学ぶ機会に(民 直弘)2017年2月

北海道から沖縄まで全国紙、地方紙の記者が集った福島第一原発取材団。全国紙の記者は中央の視点で、地方紙は各地域の実情を踏まえ質問をぶつける記者会見の場は、興味深いものだった。

 

柏崎刈羽原発がある新潟県や関西電力高浜原発などを抱える福井県の新聞社からは、再稼働に対する被災地の首長の受け止め方や避難の在り方など突っ込んだ質問が出され、印象的だった。薄らぐ復興庁の存在意義についても、西日本の地方都市で取材をしている私にとっては気付きにくい問題提起だった。

 

山陽新聞社がエリアとする岡山県に原発はない。しかし近隣の島根県、瀬戸内海を挟んだ愛媛県には原発が立地している。ゴーストタウンと化した福島第一原発周辺の自治体を目にし、全町避難となった浪江町長らの切実な声に接した今回の取材は、原発問題を急速に身近なものとして考える契機となった。

 

夜の懇親会も、他社が原発問題をどう捉え報道しようとしているかを知る貴重な機会だった。現場を踏んだからこそ生まれる多角的な視点で、福島の課題と復興への歩みに、これからも目を向けていきたい。

 

(山陽新聞社報道部) 

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