ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


第5回(韓国)与野党の大統領候補と会見(2006年2月) の記事一覧に戻る

冷や汗ものの訪韓団(若宮 啓文)2006年2月

いやはや、冷や汗ものだった。「ポスト盧武鉉」に狙いを定めたのはよかったが、面会日程がなかなか固まらない。特に与党のウリ党はちょうどこの期間に党首(議長)選挙を行っており、肝心の面々がみな地方回りの最中だというではないか。そのうえ、議長候補者は個別取材を受けない決まりだとかで、党は取材をアレンジしてくれない。
何たることかと思いつつ、それでもあの手この手を繰り出すうちに道は開かれた。ウリ党は全州市での候補者演説会に我々を招待してくれるという。会いたかった鄭東泳、金槿泰の両氏も裏折衝の結果、演説会の前後にそれぞれ会えることになった。
だが、こうした見通しがついたのは出発の直前。全州での日程は地方各地での企業視察とぶつかってしまう。そこで思案の末、演説会は何とか全員で見学できるようスケジュール調整したうえ、2氏との会見は少数の代表取材に委ねるという窮余の方策を立てたのだった。
こうして乗り込んだ演説会はにぎやかなお祭り騒ぎで、見ているだけでも面白い。会場では我々も主催者から聴衆に紹介されて大きな拍手を浴びた。
会見の代表取材に当たったのは私を含む3人。清宮副団長(毎日)と大塚さん(新潟日報)で、二人は会見の質疑を直ちにテープから起こしてプリントし、全員に配るという早業を演じてくれた。この3人は全州で泊った。
ソウルで会ったハンナラ党の朴槿恵代表と李明博ソウル市長を加え、大統領候補4人の品定めをしたわけだが、果たしてこの中から幸運をつかむ者が出るのかどうか。国連事務総長に立候補したその日に会ってくれた潘基文外相にも幸運を祈りたい。
三星電子、浦項製鉄、現代自動車と、企業視察は上村副団長(読売)らにお任せだったが、釜山での最後の夕食会は全員そろって大いに盛り上がった。スリルに満ちた6日間。よいメンバーに恵まれて愉快な旅だった。

前へ 2019年11月 次へ
27
28
29
30
31
2
3
4
5
6
9
10
16
17
19
23
24
25
26
30
ページのTOPへ