ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


第5回(韓国)与野党の大統領候補と会見(2006年2月) の記事一覧に戻る

全州でみた政治の原点(安藤 俊裕)2009年9月

 若宮団長や副団長の皆さん、日本記者クラブの岩崎さん、石川さんらのご努力で大変充実した取材の旅ができたことを感謝申しあげます。
  今回の訪韓は前半が「ポスト・ノムヒョン」を探る旅で、後半が韓国の先端企業を視察する旅でした。日本経済新聞に身を置きながら、これまで1度も企業取材や工場見学をしたことがない小生にとってサムスンの人材研修センターや浦項のポスコ製鉄所、蔚山のヒュンダイ自動車工場の見学は新鮮で啓発されるところが多く、有意義でした。この経験に触発されてもっと日本国内の企業・工場を見た方がいいと思い、3月17日に論説委員の仲間と一緒に日産の追浜工場を見学に行きました。政治記者はとかく視野が狭くなりがちです。今回の訪韓は論説委員として視野を広げる意味でも貴重な経験になりました。
  ソウルのロッテホテル滞在中、偶然ですが、同ホテルで日本経済新聞、新華社通信、中央日報の3社共催で日本から中曽根元首相らも参加した「日中韓賢人会議」が開催されており、ちょっとのぞくことができました。東アジアの将来を3国の有識者や経済人らが熱く語り合った議論の一端を聞くことができたのも幸運でした。
  韓国の国会を訪問したのも初めてでした。野党ハンナラ党代表のパク・クネさんは知性と気品を兼ね備えた魅力的な女性でした。ハンナラ党のソウル市長イ・ミョンパクさんは調和のとれたソウル再開発で名を上げた辣腕政治家で、風貌がパク・クネさんの父であるパク・チョンヒ元大統領に似ている印象を受けました。
  与党ウリ党の幹部は党首選挙の地方遊説の最中だったので、それを追いかけて全州で開かれた立会演説会を聞きにいきました。党議長に当選したチョン・ドンヨンさんや有力幹部のキム・グンテさんらが火の出るような演説で聴衆に訴えている姿に、政治の原点を見た思いです。
  日本では、小泉首相は週末になると公邸で引きこもり、与野党の幹部はテレビの週末政談にうつつをぬかしています。古い考え方かもしれませんが、遊説で聴衆に直接訴えるという政治の原点が忘れられているような気がしてなりません。

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