会見リポート
2022年04月05日
13:30 〜 14:30
10階ホール
北京冬季五輪金メダリスト 髙木美帆選手 会見
会見メモ
2月に開かれた北京冬季オリンピックで日本人選手として史上最多の4つのメダルを獲得した、スピードスケートの髙木美帆選手が会見した。
司会 伊藤雅之 日本記者クラブ企画委員(NHK)
代表質問 木本新也 スポーツニッポン記者
大野周 時事通信記者
会見リポート
「滑りたい気持ちがある」
帯津 智昭 (読売新聞社運動部)
北京五輪で5種目に出場し、金1個、銀3個のメダルを手にした髙木選手が、シーズン終了後に取材に応じるのは、この日が初めて。3月のワールドカップ最終戦後、「休む時間を取りたい」と発言しており、今後は競技にどう向き合っていくのかが注目されていた。
会見では、言葉を選びながらも、しっかりと今の思いを語った。「滑りたいという気持ちがあるので、大事にしたい。そう思い続けられる間はやりたい」。現役続行を明言した一方で、「五輪に対してのエネルギーは、すぐに今、持てるものではない。(2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への挑戦は)正直よくわからないというのが素直な気持ち」と心境を明かした。
5月には28歳になる。「(引退への)カウントダウンが確実に始まっている。気持ちとは裏腹に、体の限界が来てしまうかもしれない」と現状を見つめる。「スケートに取り組む過程で、いろいろ発見していく時間は好き。いつ終わりが来てもいいように、悔いが残らないようにやれることをやりたい」と言い切った。
くしくも会見前の午前中、切磋琢磨してきた姉の菜那さんが引退を発表していた。「妹として幼い頃から見てきて、自分のスケートに対する姿勢に影響を受けてきた。姉が姉で良かった」としんみりしつつ、「姉のことになると恥ずかしくなってしまい、あまりメディアの前ではしゃべってきていない」と笑った。素の表情が垣間見えた瞬間だった。
13日間で7レースを滑った五輪についても、改めて振り返った。終盤は食事も十分にのどを通らない疲労の中、日本からの応援に助けられたという。観客は招待客などに限定されただけに、「現地の情報を日本の皆さんに届けてくれたのはメディアの方々。今シーズン、ありがとうございました」。周囲への気遣いを忘れない髙木選手らしい言葉だった。
ゲスト / Guest
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髙木美帆 / TAKAGI Miho
北京冬季五輪スピードスケート女子1000メートル金メダリスト