2019年11月15日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「連合30年」(2) 神津里季生・連合会長 会見

会見メモ

シリーズ「連合30年」の第2回ゲストとして神津里季生・連合会長が登壇した。神津会長は10月の定期大会で3期目の続投が決まったばかり。連合を取り巻く環境の変化や今後の課題について話した。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 連合ホームページ

(1)   篠田徹・早稲田大学教授

(3)   中北浩爾・一橋大学大学院教授   11月21日(木) 15:00〜16:00


会見リポート

賃上げ、働き方改革/「前進には労組が必要」

澤路 毅彦 (朝日新聞社編集委員)

 連合30周年を考えるシリーズの2回目は、3期目に入った神津里季生・連合会長が登場した。

 神津会長が最初に話題にしたのが2003年に出された連合評価委員会の問題提起。その問いを「連合は組織の外側にいる人たちのことをどう考えているのか」とまとめた上で、地方組織の充実や非正規労働者の組合員増など、不十分ではあっても少しずつ成果を積み上げてきたと振り返った。

 「健全な労使関係がないと社会が前に進まない」。神津会長が何度も強調したのは労働組合の重要性だ。

 どういった場面で労使関係が必要なのか。例えば、賃金の引き上げ。神津会長は、1997年以降賃金が下がり続ける中で格差が広がってきたというデータを示し、「賃金制度の有無で大きな違いがある。労働組合があって賃金制度があれば、こんなことにはならなかった」と述べた。

 もう一つは「働き方改革」。「『働き方改革』は労働組合がなくてできるのか、声を大きく上げたい」

 確かに長時間労働の規制の要は労使協定だ。しっかりした労使関係がなければ、実効性は担保されない。非正規労働者の処遇改善を目指す「同一労働同一賃金」でも、「何が均等・均衡なのか、労使で話し合わないと納得感は得られない」という指摘はもっともだ。

 途中、連合が取り組んでいる、葬祭業大手ベルコに対する裁判闘争を映像で紹介し、個人事業主の形式を使って雇用主としての義務を免れようとする動きに警鐘を鳴らした。

 神津会長は自らのブログで連合についての報道に注文をつけている。この日も「連合の目立ち方」という表現ではあったが、報道に話題が及んだ。野党分裂との関係で政治記事に登場することが多いが、「そこだけを取り上げられるのは違う」。本当はもっと厳しい言い方をしたかったに違いない。


ゲスト / Guest

  • 神津里季生 / Rikio Kozu

    日本 / Japan

    連合(日本労働組合総連合会)会長 / President, RENGO(Japanese Trade Union Confederation)

研究テーマ:連合30年

研究会回数:2

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