2019年06月24日 13:00 〜 14:00 10階ホール
ラフマーニ駐日イラン大使 会見

会見メモ

イランのモルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド大使が会見し、安倍首相のイラン訪問や同国の現状について話した。

 

司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)

通訳 稲見誉弘(イラン大使館)


会見リポート

米国を非難、日本に覚悟迫る

加賀谷 和樹 (日本経済新聞社編集局国際部次長)

 「イラク、シリアにイランのプレゼンス(存在感)があるのはそれぞれの国との合意に基づく。米国にとやかく言われるものでない」。それまで、どちらかといえば淡々と会場の記者の質問に答えていたラフマーニ大使が語気を強めたのは、イランに周辺国への干渉を中止するよう求めたポンペオ米国務長官への姿勢を聞かれた時だ。外交の世界でプレゼンスとは通常、海外での影響力を指す。それはしばしば軍事力を伴う。

 ラフマーニ氏はイランがイラク、シリアに影響力を行使できる立場だとの事実を否定しなかった。これら3カ国はいずれもイスラム教シーア派としてまとめられる宗教勢力が政権運営に大きく関わる。イラク、シリアにイランの軍事組織、革命防衛隊が自由に出入りしているのは周知の事実だ。イエメン内戦については「あんな遠くの国にイランの影響が及ぶだろうか」と述べ、シーア派武装組織フーシへの支援を否定してみせたが、納得する記者は少ない。

 会見でラフマーニ氏は多くの時間を米国への非難に費やした。「中東の安定には米軍の撤退が必要だ」と強調する一方、「イランは地域の大国として中東の安定に寄与してきた」と主張した。まるでイランが中東の盟主であるように聞こえるが、実際はサウジアラビアをはじめとするアラブ有力国の信用を得ていない。民族、言語が異なり、双方を結ぶはずのイスラム教も宗派が違う。アラブはイランを恐れ、米国を頼る。

 米国はイランの核開発を批判するだけでない。1979年のイラン革命後、テヘランの米大使館が学生らに占拠された屈辱を忘れていない。イランは米国を「大悪魔」とののしる。

 ラフマーニ氏は、日本の首相として革命後初めてイランを訪れた安倍晋三氏の「善意」を繰り返したたえた。国益、宗教、歴史が複雑に絡む中東で、火中の栗を拾う覚悟を迫るイランに、日本は応えられるか。


ゲスト / Guest

  • モルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド / Morteza Rahmani Movahed

    イラン / Iran

    駐日イラン大使 / Ambassador of the Islamic Republic of Iran

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